紅海を行くエジプト客船
1993年7月、エジプトの北東部、シナイ半島から紅海を渡り、ヨルダンに行こうとしていた。
6月のエジプトは暑かった(夏に行くのがまちがっている)。ナイル川にそって南の果てのアブ・シンベルまで行って灼熱と攻撃的でしつこい物売りなどに身も心もくたくたになっていた。シナイ半島は同じエジプト領ながら少しほっとする。青い珊瑚礁で泳ぎ、シナイ山で日の出を見終えて混沌としたこの国を早く去ろうとここヌエバ港に来た。あいにく金曜(イスラム教国では休日)と重なり、しかも1日2便が1便欠航となり、待合所にはごまんとエジプト人があふれている。すべて他の中東諸国へ行く出稼ぎ労働者たち(貧しいエジプトはこうやって外貨を稼ぐ)。何時間か待ち乗船となったが、何百人もがこれまた我先にの大騒動。船の中は甲板もどこも踏み場もないくらいエジプト人でうまってしまった。
船はアカバ湾を進んでいく。対岸にサウジアラビアの石油コンビナートを見ながら。祈祷の時間になり、熱心な者は例によって祈り出す。数時間の後ヨルダンのアカバ港に近づく。ここはヨルダン、イスラエル、エジプト、サウジアラビアが国境をせめぎ合っている地だ。日はとっぷり暮れ、4つの国からの明りを見ながらの入港。
いよいよ下船となったが、またもや我先にのエジプト人で大混乱だった。
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